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小学校威圧で教育長謝罪 徳島市議会本会議

2005年12月08日

 徳島市内の小学校で児童の父親が校長や教員に威圧的な行為を続けていた問題で、大栗敏治・同市教育長は7日の同市議会本会議で、「市教委の職員がかかわりながら、結果として事件を防げなかったことは誠に遺憾。特に(全教員を集めた)『研修』では、適切な態度を取れず、深く反省している」と謝罪した。塀本信之市議(共産)の質問に答弁した。

 さらに、父親から暴行を受け負傷した教員への対応について指摘を受けた大栗教育長は、「心身共に痛手を負った教員については、私自身、心を痛めている。一日も早く職場復帰できるよう支援する」と述べた。

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05年12月議会質問

市内小学校事件初問
本年7月に市内小学校において考えられないような事件が発生しました。同校に通う小学生の保護者の男性Nが、校長Aや担任教諭Bに暴力をふるい、職務を強要、金銭まで恐喝し、別の教諭Cをファイルで殴打し加療約5日間の傷害を与えるというものであります。

保護者Nは警察によって逮捕起訴され、11月9日に第一回公判が開かれ保護者Nは起訴事実を全面的に認め、検察官の証拠調べ請求に対しすべてこれを認めているのであります。
私はその第一回裁判を傍聴し関係者から事情を聞き、今なぜこんな事件が起こるのかと唖然といたしました。そして教育行政を預かる本市教育委員会の責任の無さを痛感したのであります。
教育長は先の文教委員会で謝罪いたしました。当然であります。「教育委員会職員も関わっていながら、的確な状況判断ができなかったため、教育的信念に基づいた毅然とした対応がとれず、そのため事件を未然に防止できなかったことについては、誠に遺憾であり、教育委員会としての責任を痛感している」というものであります。
しかし、その後の学校教育課長の答弁などを聞いていると教育委員会として、本当に責任を痛感しているのか、反省しているのか大変疑わしいのであります。

私は事件の全容を見ると、教育委員会の事なかれ主義、ただただ穏便にという姿勢が事件を深刻にしたと思うのであります。
教育委員会には、学校を守る気概、つまり、子どもたちや教職員を守る責任と自覚が欠如していると言わざるを得ないのであります。

その姿勢が校長に反映し、被告人の増長をあおり、関係教職員の人権を侵害し、ひいては保護者や児童生徒にまで迷惑を与えているといわなければなりません。

検察官の冒頭陳述や証拠調べ請求、関係者からの事情聴取を総合すれば、つぎのことが明らかであります。

保護者Nは2年前から、ことあるごとに当該小学校に押しかけ、クレームをつけていたこと。その際校長のネクタイをつかんでひねりあげたり、同校長らを大声で恐喝したり、あるいは一晩中校長室にとどまり、クレームをつけるなどのため、校長や他の教職員は、極度に怖がっていたこと。いわば保護者N一人が同校の教職員を牛耳るという異常な状態が続いていたこと。

これらについては、教育委員会も当然承知していたことが、6月のシャンプー騒動の際、夜中に教育委員会が呼び出されるという異常な事態に対し、教育次長・学校教育課長補佐が即座に同校に赴き、長時間対応したことなどからうかがえるのであります。

そして今回の事件発生の際は、学校教育課長補佐をはじめ数人がたえず、同校に赴き、保護者Nと直接接したのを始め、大事なときには教育次長も同席し、校長とも密接に協議していたのであります。当然そのことは教育委員会に報告されており、当該校での動きは、教育長、教育次長、学校教育課長など、すべての幹部が承知していたことになります。
つまり、校長の言動は完全に教育委員会の直接の指導下にあったといえるのであり、校長や教育委員会の担当者の対応の悪さの問題では済まされない、教育委員会全体の問題であると言えるのであります。

教育委員会の関与は、長時間、それは26時間という考えられないような長時間保護者Nとつきあったのを始め、犯罪とされる、担任を変えろという職務強要、金銭の恐喝の場にも教育次長、学校教育課長補佐が立ち会って目撃しているという、念の入れようであります。このことは検察官請求の証拠からも明らかであります。

また、保護者Nの要求により開催された26日の研修の場では、学校教育課長補佐が講師として話をし、5時間にもわたり悪口雑言を繰り広げる保護者Nの長話にも付き合っているのであります。
同日の研修の場には初任者研修の参加者や、県の小学校体育連盟の役員会などに参加予定の校長、人間ドック予定者、夏期休暇予定者などにも予定を変更させて参加させたのでありますが、この研修会の開催の決定の場にも教育委員会は臨場したのであります。
保護者Nとしては要求のすべてが教育委員会の公認の元で容認されたと理解したのは当然であり、そのことが保護者Nをますます増長させる結果になったといわれてもしようがないのであります。

以上教育委員会が本件の核心部分にはすべて関与し、犯罪行為を容認したことについて改めて謝罪し、責任の所在を明らかにすることをまず求めたいと思います。

つぎに研修会開催についての教育委員会の責任でありますが、先にも述べたように、この研修会は異様なものでありました。過去には部落解放同盟など同和団体による確認・糾弾会が開催されたことは皆さんご承知のとおりですが、これは裁判所で違法性が確認され今は少なくなっているようでありますが、まさに糾弾会といえるものであったようであります。

まず、研修会を開くことを決める経緯が問題であります。
研修会は26日に開催されましたが、それは22日午後4時半頃から翌日の午後7時頃にかけての保護者Nの長時間の要求の中でそれに同意して開催が決められていることであります。この長時間の要求は、B教諭を担任から交代させることの強要が主たるものであり、その態様は実にすざましいものであったようです。検察官の冒頭陳述はつぎのように述べています。「こんな担任代えろなどと語気鋭くもうし向けるとともに、暴力団員の名刺を示すなどして脅迫した上、「ひと思いに殺したろか」といいながら、校長の顔面や腹部を手拳などで殴打するなどの暴行を加え」たそうであります。

その結果担任交代という要求が暗黙の了解の元受け入れられ、金銭要求がなされ、加えて研修会の開催が決められるわけであります。つまりこのような暴力による威迫に屈服して保護者Nの立場を容認し、学校側がわびる形で研修会が行われるに至ったのであります。もちろん教育委員会も同席し、同様の立場をとったわけであります。
ここに重大な落ち度があります。教育委員会は暴力に屈してはいけなかったのであります。ここで毅然とすべきであったのであります。この責任をまず認めるべきであります。ご答弁を求めるものであります。

本来開催されるべきでなっかた研修会に対して教育委員会は二重の誤りを犯しました。すべての教職員に対して参加を強要したことです。

そして保護者Nに屈服した教育委員会は学校教育課長補佐が保護者Nの「おい、今日はしっかりやるんぞ」との励ましを受けて、研修会での講演を行うのであります。
研修会ではその後、保護者NがB教諭やC教諭などへの悪口雑言を長々とのべ、参加した教職員は黙ってそれを聞かなければならないという屈辱、まさに人権侵害が行われたのであります。教育長の文教委での謝罪には教職員への謝罪がありませんでしたが、当然教職員にもわびるべきではなかったのでしょうか。お答えいただきたいと思います。

つぎに、保護者Nよりファイルでたたかれ全治約5日間の傷害を受けたC教諭に対する人権侵害についての教育委員会の責任についてであります。

26日の研修会が開かれる前日、保護者Nが学校に現れ、「おい校長、明日の研修は、みんなを6・7時間缶詰にせえ。トイレに行かすな」といったので、同席していたC教諭が、「すみません。トイレは行かせてください。」と要請したところ、保護者Nが激怒し、「何なお前は、わしらのいのちより小便の方が大事なんか」「明日は、お前を徹底的にやったるけんな。覚悟しとけ。」などと罵詈雑言を浴びせたのであります。
このことで教育委員会や校長は保護者Nを諭すのではなく、C教諭をたしなめ、保護者Nに謝罪するよう求めました。その席上保護者Nは教育委員会にたいし「こいつをとばせ」などと強要したことに教育委員会は何の反論もしませんでした。

C教諭は翌日の朝、校長室でたまたま保護者Nと二人きりになった際、うなだれてソファーに座っていたところいきなりファイルで頭部を殴打されたのであります。
その後の研修会では保護者Nより名指しで悪口雑言をあびせられます。それは「50の単なるおばはんが、わしに意見するとは、なにごとな。」「お前の目や腎臓はすぐに売れるんやけんな。」などをはじめ聞くに堪えないものでありました。
C教諭は、夕方から痛みや吐き気が出てきたので、夜8時過ぎに解放されたあとすぐ病院に行き、頸椎捻挫の診断を受けます。

問題はこれらの経過の中で、教育委員会や校長のとった態度であります。その基本姿勢は保護者Nにたてつくと大変なことになる。とにかくあやまりなさい。というものであります。現に研修会のあとも学校で、再三にわたってわびることを説得されたのであります。

そもそも、保護者Nの強制の元で、開かれるべきでない研修会が開かされ、その持ち方について最小限の要望を言ったことが、怒りをかい、こともあろうに教育委員会や校長が保護者Nの肩を持ち、C教諭をなじるなどということが教育現場で許されてよいのでしょうか。これは明らかな人権侵害であります。

C教諭に対する問題はもう一つあります。それは、保護者Nを傷害の罪で告訴するしないについての教育委員会の圧力であります。
校長は教育委員会の指導もあいまって、保護者Nから暴力による職務強要を受け、金銭まで要求されていながら、保護者Nを告訴するなどの行為をとっていませんでした。
そこに、C教諭に対する傷害事件が発生したわけです。C教諭が被害届を出せば当然それよりもひどい被害を被っている校長も、被害届を出さざるを得なくなります。そこで出来ることならC教諭の被害届を思いとどまらせたいとの判断がはたらいたと思われます。
現に校長は教育委員会とも相談の上、後に、C教諭にそのことを働きかけているのであります。
校長は、27日の午後2時には現金を現実に脅し取られた後、教育委員会とも相談の上、警察にはその日の時点で相談という形で申し出ながら、被害届は出していないのであります。
そして、他方では、C教諭に対して、被害届の件で再三にわたって届けを出すことを思い止まらせるがごとき働きかけをしているのであります。

これら一連の行為もまた、C教諭を傷つける大きな要素となっているのであります。
どうして最初から一緒に被害届を出しましょうといわなかったのか。
明確な犯罪行為を受けながらも告訴をしないという曖昧な態度こそ今回の対応のすべてを物語る、優柔不断さを示すものであり、そこには学校現場を断固として暴力から守るという教育理念の片鱗も見受けられないのであります。

結局C教諭の被害届を出すとの断固とした決意を受けて、7月29日に教育委員会に相談後、校長も一緒に告訴した訳であり、その後は8月30日の逮捕までの間、保護者Nからの不当な要求はなりを潜めたのであります。

しかし、真相を明らかにしようとするC教諭に対する圧力と思われることやC教諭に対する人権侵害等はまだ続きます。
学校側の保護者会への報告文書は、あたかも、C教諭に非があり、保護者Nの気にさわるような質問をして謝罪したとの印象をあたえかねないものでした。
開く必要がないと何回も止められた後やっと開かれたC教諭担当クラスの保護者会でも校長を始めPTA2役が居並ぶという異様な光景の中で開かれ、C教諭が真実を述べることを牽制するかのごときことが行われているのであります。

無理やり開かれようとする研修会に、ささやかな要請をしたことが、被告人の怒りに触れ、教育委員会や校長がこぞって被告人の肩を持ち、告訴を牽制し、C教諭を村八分のような状態に追い込む、これが教育委員会のすることなのでしょうか。

C教諭はこのことに心を痛め、傷害による傷は癒えても、これらのストレスによって今も療養中であります。これが人権侵害といわず何を人権侵害というのでしょうか。教育委員会の反省を込めた答弁を求めるものであります。

市内小学校問題での教育長の答弁の概要は次の通りです。
「今回の事件の発生に関しては、教育委員会職員も関わっていながら、結果として未然に防止できなかったことは、誠に遺憾で、教育委員会としての責任を感じている。
この場を借りて、当該小学校の保護者並びに関係各位に、あらためてお詫びする。
教育委員会としては、今回の事件の発生に関し厳しく自戒するとともに、こうしたトラブルには毅然とした対応で臨むことを徹底してまいりたい。
特に、当該小学校での研修会において、教育委員会としても適切な対応がとれなかったことについて深く反省している。こうしたことが、当該小学校の教職員の被害に結びついたことについては、その責任を重く受け止めている。
心身ともに傷手を負った教諭には、先に述べた責任に加え、私も心を痛めており、まずは体調の回復を最優先に、一日も早く職務復帰ができまるよう支援していくとともに、当該小学校の教職員に対しましても、時期をみて適切な対応をとってまいりたい。
今後においては、このたびの事件を教訓として、再発防止に向けた取り組みを進めるとともに、子ども達が安心して、楽しく学べる学校づくりをめざし、努力してまいる所存でございます。」

結び

お答えをいただきました。文教委員会の時点より具体的になったと思います。特に研修会についての不適切な対応を認め反省したことは前進であります。
また、当該校の教職員に対しても時期を見て適切な対応をとりたいとのことであり当然だと思います。
私といたしましては初問で指摘した事実はすべて認めた上での謝罪・反省と受け止めております。
そのことに異論があれば、付け加えていただいても結構です。

C教諭に対しては、教育委員会が保護者Nの圧力に屈服して結果として加害者であったということを認めるかどうかが大切な点であります。一応そのことを認めた答弁であったと認識しておきます。

今後の問題として、重大な誤りであった以上厳正な処置が執られるべきであると考えています。その点については教育委員会の今後の措置を厳しく見守って参りたいと思います。