塩谷委員長 次に、穀田恵二君。

穀田委員 モーターボート競走は、もともと刑法で禁止している賭博及び富くじ販売の特例として、地方自治体のみ認められている公営ギャンブルの一つです。青少年への悪影響、家庭崩壊や勤労意欲を低下させるなど、害悪は免れないと私は考えます。

 地方財政の改善を目的としてきましたけれども、売り上げはピーク時の半分以下に減少し、二〇〇五年度には、四十一施行者中、一般会計への繰り出しができない施行者が十六、赤字施行者は六、撤退する自治体も生まれています。このまま続けるのが妥当か、再検討が必要な時期に来ています。売り上げ拡大策として場外舟券売り場の設置やナイター営業の拡大が進められているが、多くの地域で住民や自治体の反対運動も起こっています。

 こうした中で、昨年七月にモーターボート競走事業活性化検討委員会が報告書を取りまとめ、これに基づく具体化として本改正案が提案されました。

 検討委員会について聞きます。

 今述べましたように、競艇事業をめぐってはさまざまな意見があるわけです。検討委員会には、事業に反対したり抜本的見直しを求める立場の代表者は参加したのか。そして、検討に当たり、こうした人々の意見を聞いたのか。活性化推進を求める意見しか聞いていないんじゃないか。この点についてまずお聞きします。

冨士原政府参考人 まず、モーターボート競走事業活性化検討委員会の性格でございますが、競走を取り巻く厳しい状況、施行者の売り上げ減少等の現実を踏まえて、競艇事業をどのように活性化させていくのか、施行者をどうやって元気にしていくのかという視点で開催された委員会でございます。

 さまざまな問題点を検討し、その改善方策を考えるということでございまして、基本的には、委員の皆様方というのは、競艇に理解のある学識経験者、あるいはファンの方、それから業界関係者に御出席をいただいて、議論をさせていただいたということでございます。

 したがいまして、その性格上、先生御指摘のような方々というのは本委員会には参加をしておりません。

穀田委員 結局、賛成、推進派の立場からの改正案づくりの方策として行われたということなんですね。やはりギャンブルとしての負の部分について一顧だにしないというのはだめですよ。したがって、改正案には、国民的検討とは違って、背を向けたさまざまな悪い内容が盛り込まれていると指摘せざるを得ない。大体、そういう話をしたときでも、国民のそういう意見をもっと聞いて、賛成反対含めて話を聞くのが私は筋だと思います。

 検討委員会の報告書は、簡単に言えば、売り上げを伸ばす、それから支出を少なくするという柱になっているわけです。したがって、収支改善のために人件費、選手費、管理費を削減すると強調し、こうした削減の第一に外部委託の推進を掲げています。法案では、民間や施行者以外の自治体への委託を可能としています。

 先ほど述べたように、この競艇というのは地方自治体にのみ認められていて、自治体が責任を持って実施することが公正さの保障であって、ギャンブルに伴う弊害の抑制になるとされてきたわけだが、民間委託になれば、施行者の責任があいまいになって公正さが保障されなくなりはしないか。青少年への悪影響や競艇場、場外舟券売り場周辺の環境悪化を助長し、ギャンブルの害悪を一層強めることになるのではないかという懸念が持たれますが、その点はどう考えますか。

冬柴国務大臣 私人委託によって大きな目的というものが毀損されるのではないかという御指摘でございますが、私人に委託できる事務というのは限局いたしておりまして、舟券の発売、払い戻し、警備、それから広報、今まで欠けていた部分でございますが、それら私人のいろいろなノウハウ、能力というものを、今までの地方自治体にはないそういうものをここへ導入しようということでございます。そのほか、施設の管理、そういういわば作業実施に伴う部分だけでございまして、競走の実施に関する基本的な部分は施行者固有の事務として、その部分は動きません。

 そして、他の、競走会に限定的に委託する事務としては、選手、ボート等の出走前の検査とか審判とか選手の管理というものはそういう人たちに委託できますが、これは私人ではありません。

 そういう意味で、今まで自治体が施行者として競艇事業を行っていたからそこが担保されているんだという委員の御主張はいささかも曲げられない、今回の改正でも曲げられないというふうに私は思っています。

穀田委員 固有の事務であって、簡単に言えば、今、最後に大臣のお話があったように、責任は施行者にあるというふうに判断していいと思います。そうだとすると、私は厳格に指導を求めたいと思っています。

 それは、先ほども各委員からお話がありましたが、やはり営利本位の民間委託になれば、射幸心をあおるような販売や広告が予想されるし、場内場外の秩序の維持や未成年チェックなども責任を持って行えるかということでいいますと、私は疑問だということは言っておきたいと思います。

 そこで、民間委託によってどうなるかという問題について少し議論をしましょう。

 全国で七千人に上る競走場従事者の雇用打ち切りや労働条件悪化につながるおそれがあるんじゃないかと私は危惧しています。オートレースや競輪は二〇〇二年の改正で民間委託できるようになって、各地で雇用問題が発生しています。

 北九州市では、競輪事業の民間委託で、発売、払い戻しに従事する三百五十人全員が解雇されました。委託先への再雇用のあっせんもあったが、余りにも賃金が低く、当初は七人しか応募がなかったと言われています。

 北九州の若松競艇場で舟券販売、払い戻し業務を行っている労働者の皆さんから要請がありました。次のような内容です。競輪と同様に、民間委託されたら、仕事がなくなるか、賃金が安過ぎて、生活が脅かされる。そもそも賃金は年々引き下げられて、既に年収は半分ぐらいに減っている。競輪の民間委託のときは競艇場への再雇用が行われたが、競艇まで民間委託されたらどうなるのか、大変不安だ。これ以上下がったら住宅ローンも払えなくなる、民間委託は撤回してほしい、こういう意見でした。愛知県の常滑の競艇の労働者の皆さんからも同様な訴えがありました。

 三十年近く発売、払い戻しをしてきたベテラン労働者の皆さんの働きが地方自治体の一般会計への繰り入れ収入を支えてきたわけです。施行者である自治体は当然、雇用者として、労働者が生活できなくなる、路頭に迷うようなことにならない、そういう点での責任を果たすべきだと私は思うんですね。ベテランの職員さんがいてこそ、窓口での苦情やトラブルにも適切に対処できるし、したがって、公正で円滑な事業運営に支障を来してはならないと私は思っているんですが、その点、大臣の御所見を伺いたい。

冬柴国務大臣 売り上げが激減してきたということは委員も御承知のとおりでございますし、その激減の理由というのが、バブルの崩壊、尼崎では、大震災によってそこへ行く公共交通機関が全部途絶しちゃったんですね、そういうこととか、あるいは震災後の経済の疲弊等で他の競艇場とは比べ物にならないほどの激減をしたわけです。

 そういうところで、先ほど来お話がありましたように、多くの事業者の中で、十五とか、最近非常な努力をして六になった。その六になったというのも、そういう人件費を、いろいろな形で経営努力をしてそういうふうになっているというわけであります。

 したがいまして、我々は今回、舟券の発売、払い戻しとか広報等の事務を私人に委託できるような道を開きましたけれども、しかし、それをやるかやらないかは事業者の経営判断によって行われるわけでございます。今までできなかったことをやり得るという道を開いたことは事実でございますけれども、ここは自治体が、経営の合理化としてこういうものを導入できるかどうか、これは地域の住民の十分な御理解を得ながらしかできないと思うんですね。

 特に、競艇場の場合、開催日には周辺の地域に多くの車が、あるいは他の地域からたくさんの人が寄ってこられるわけです。そういう意味で、交通渋滞とか、あるいは多くの人々が、勝つ人ばかりじゃありませんので、勝たない人は相当精神の安定を欠く人もありまして、大変迷惑を受けるわけです。したがいまして、警備員の配置とかいろいろやっておりますけれども、その人たちはどこの人かといえば、地元の人が多いわけです。したがいまして、そう簡単に、これをやったからすぐにこれが変わるというわけではありません。

 しかしながら、運営している事業者の経理状態というのが大変苦しい。大きな赤字、億単位の赤字を出しているというところを改善しなきゃならないということも、これを継続する以上は絶対必要だろうと思います。そこら辺の兼ね合いを、事業者の方の判断によって住民の理解を得ながら実現させていく、その道を開くというのが今回の改正であると御理解をいただきたいと思います。

穀田委員 二つありまして、施行者の判断と住民の理解。

 それで、随分努力してきている現実があるんです。お聞きしますと、例えば、江戸川なんかの場合でいいますと、九一年末でいいますと、一時金の額は六十五万四千円だったものが、〇五年には二十万ほど下がっているんです。そんなふうにずっと労働者のところにはそれなりにしわ寄せをやってきて、この結果なんです。何か言うと、すぐ、バランスを欠いているとか、二倍だとか三倍だとか、差があるという話を皆さんはしますけれども、もっと長い目で見ると、収入が減っているという現実があって、その合理化の上にさらに人減らしが来たんじゃ大変だよということを私は言っているわけです。

 きょうは、もう一点、場外舟券売り場について聞きたいと思うんです。

 今後、丸ごと民間委託ができるようになっていきますと、ますます設置が進むでしょう。報告書では、場外発売場の積極的整備を引き続き推進するとして、二つ言っています。手続の透明性向上や手続の簡素化です。

 法案では、透明性の向上の方については、法律上の規定がなかった場外発売場の設置について大臣の許可制を導入することになっているわけですが、もう一方、手続の簡素化についてはどのような措置をとるんですか。

冨士原政府参考人 場外発売場の設置手続についての御質問でございます。

 今回、場外発売場の設置については、許可制に係らしめるということで、手続を明確化するということでございます。

 手続の簡素化についても指摘を受けているところでございます。特に、地元の調整等について、今までいろいろと私ども、地元と十分な調整をした上で設置を認めていくということでこれまで運用をさせていただいてまいりました。これについても、基本的には、地元の同意の重視という姿勢は変えるつもりはございません。

 一方で、他の公営競技における運用のあり方あるいは関係機関との調整等もございますので、その辺等の動向も見ながら、今後とも適切な運用方法を考えてまいりたいというふうに思っているところでございます。

穀田委員 これまで国は、場外舟券売り場の設置に当たっては、地元住民の理解が得られるように努め、今もお話があったように、十分な地元調整が必要だと指導してきました。北側前大臣は、ボートピアというのは、先ほども冬柴さんからありましたように、人がたくさん集まる、その施設の周辺への影響を当然考慮する必要がある、設置に当たって、設置者は当然のこととして地元の住民の理解が得られるように努めなければいけないし、また地元調整が十分に行われることが必要だと国会で答弁しています。

 今度も、今、さらに舟券売り場の設置拡大が目指されているときに、住民の意思が反映されるよう、そして十分地元調整が必要だという点では、ますます重要ではないかと私は考えているんです。その辺、冬柴大臣についても同様の見解だと思うんですが、改めて確認しておきたいと思います。

冬柴国務大臣 全く同様の考えであります。変えません。

穀田委員 では、その内容で変えないとなりますと、現在、国交大臣がボートピアの設置の確認を行う際には三つの条件がありまして、地元自治会(町内会)の同意、市町村の長の同意、市町村議会が反対を議決していないこと、このことでもって地元合意を確認するとの運用が行われています。法改正後もこの運用は変わらないのですか、確認したいと思います。

冬柴国務大臣 私どもはそれを踏襲しようと思いますけれども、ただ、ほかの競技、例えば競馬とか競輪それからオートレース、同じようなものがありますが、そういうものについて、これがどうなっているのか。例えば、競艇の場合は今言った三要件がありますが、競馬の場合は、首長か自治会のいずれかの同意でいいとか、また議会が反対なら同意は無効とか、ちょっと違うんですね。それから競輪、オートでは議会については特に何もないとか、そういうものがありまして、特にそれは、濫用されるような形になれば別ですけれども、私は、こういうものは維持しながら、今までの長い歴史もありますし、周辺の住民の同意というものがどういうことで形成されるのか、それをどういうふうに認めるのか。例えば、首長さんが賛成すればもう住民は全部賛成したと見ていいのかどうかという点、これは非常にきめ細かくやってきていると思うんですね。ですから、そういうものを大事にしながら、愛される競艇であるべきだと思います。

 ただし、これが確固不動なのかと言われますと、ほかとの関係があり、そして非常に難しいことになった場合にこれでいいのかどうかということは再考しなきゃならない場合があるかもわかりませんけれども、今のところはこれでいいと私は思っています。

穀田委員 日ごろの大臣の発言にしては、えらい持って回った言い方ですよね。ほかとの関係というのは、ほかがもし緩いんだったら、ほかを上げさせたらよろしい。そういうふうにどんといくことが大事なんですよね、住民が大事なんだというのであれば。先ほど来、その被害の問題について、一番詳しく実例を述べたのは大臣が初めてですよ。それは尼崎を控えているということがあるから、よくわかってますわな。そういう大臣にしては、次の話がえらい紆余曲折をうろうろしている、そんな感じがしますよね。

 私は、三要件を堅持するとともに、もう一つ、民主的な要件が大事じゃないかと思っているんですね。

 といいますのは、これまでも地元自治会、町内会の合意を、極めて恣意的に運用されて、それが反映されなかった例があります。京都府南部、八幡市、ことし四月にオープン予定のボートピア八幡について、皆さんに配付した資料を見ていただきたいと思うんです。資料のような経過で地元調整、申請確認が行われたけれども、さまざまな問題が起こっています。

 資料の三枚目を見ますと、(2)ということで、平成十六年七月に役員会をする。ところが、(4)にありますように、地元住民の民意を反映した意思決定を行うよう指導ということで、説明会それから総会をやり直しせざるを得なかったんですね。(7)で出していますように、六区では、これは対応する自治会の名前ですが、六区では七十九班中出席班長六名で説明会。さらに(9)に、やり直した平成十七年三月の総会の投票で同意が決まったと報告されているんですが、申請が出て、国交省に問い合わせて、ようやく今度は議事録が国交省に問い合わせて公表された、班長さんが知らないところで決まったことになっている。

 三月三十一日の六区、今言っていますような総会には、八幡市会議員、巌さんという方がオブザーバー参加しているんですが、彼の総務常任委員会での発言によれば、投票が途中で打ち切られたために実際には十六人しか投票していないのを確認している、投票箱も何もなく、内容が丸見えの状態で、集まった投票用紙を確認したところ、反対一、白票が十五であった、賛成の二十六票は実際には投票せず帰っていった人たちを賛成とみなしている、このことを先ほど述べた総務常任委員会で指摘しているわけですけれども、それに対して、当局からも、事実に反するという答弁も抗議も今に至るまでない、こういうことがあるんですね。つまり、住民の手続というものをどう見るのかということが極めて大事な問題なんですね。

 そこで、実は、平成十七年二月二十八日の予算委員会八分科会、国土交通省所管の中で、当時の政府参考人は、「民主的な形でこれが進められたかどうかということを私どもとしては判断するつもりにしております。」つまり、民主的手続が得られたかということを判断するつもりだというふうに述べているわけであります。さらに、この問題について、国交省が判断するわけだから、責任を持たなければならないということについても言っておられるんですね。

 だから、今私が言っていますような、そういうやり方というのは極めて異例な形で進んでいる。その点でも、私は、民主的な手続が必要なんだということを改めて問いたいんですけれども、その点はいかがですか。

冨士原政府参考人 やはり地元の民意を反映するという意味で、どういうプロセスでその合意がなされたのかということは非常に大事な点なんだろうというふうに我々も思っております。

穀田委員 今とても大事な発言がありました。正当な民意を反映したかどうかというのは、民主的プロセスを大事にすると。これはきちっと守っていただきたいと思っています。

 その根本は何かということは、大臣、最後は確認しておきたいんですが、例えば、当時北側さんは、「住民の方々の実質的な同意を得ることが必要」ということを述べているんですが、それは変わりありませんね。

冬柴国務大臣 大臣の言葉に二言はないと思います。私もそうです。

穀田委員 そこで、実はその後半にこう言っているんですね。「実質的な同意を得るためには、当然、大切な情報が広く住民の方々に周知されていないといけないわけでございますし、また、その地元住民の同意というのが、多くの方々の意向を反映していると言えるようなものでなければならないと思います。」こう言っているんですね。これはとても大切なんですよ。私は、今、手続簡素化じゃなくて規制こそ必要だ、こういうものが出る際には。やはり最初が大事なんですね。

 例えば、大臣、私、実際にこれをやってみてわかったんですけれども、海事局というのは、例えばこういうところがありますね、ここにモーターボートの舟券売り場ができるといったら、そこだけなんですよね。例えば、道路がこうあって、ここに学校があるとか、ここに通学路がある、ここで一番被害を受けるところじゃなくて、当該の自治会みたいな形で、極めて限定的にやるんですね。だから、そうなってくると、大切な情報ということと同意ということからしまして、一番被害を受ける、そういうことを含めた広い範囲でとるんだということが大事じゃないかと私は思うんですね。何もだだっ広くやれと言っているんじゃなくて、実際に被害を受けるところということを含めて地元の同意と経過が必要だと思うんですが、いかがですか、そこだけ。

冬柴国務大臣 地元でそれが開催されることによって、被害というか影響を大きく受ける、そういう地域については、そこの住民の理解が得られることが非常に大事だと私も認識をいたしております。

 一人残らずということを言われると、これはわかりません。しかし、本当に、先ほどの北側大臣が言いました、大部分の方がそれについて御了解をいただく、理解をいただく、これが大事だと思います。そうじゃないと円滑な運営はできないということは事実でございます。

穀田委員 終わります。